長久手市で、野菜の無農薬栽培をしているケースケファームさんにお話を伺いに行ってきました。(取材日:2020年3月30日)
以前、お豆腐屋さんの豆粋さん(豆粋さんの記事はこちら)に取材させていただいたとき、店内で無農薬野菜を販売しているのを見つけました。その野菜について聞いてみると、長久手市内で無農薬野菜を作っているケースケファームさんの野菜ですよと教えていただき、ぜひケースケファームさんのお話も伺ってみたいなと思いました。
そういう訳でケースケファームの代表、川井さんに無農薬野菜へのこだわりについて色々とインタビューしてきましたので、ぜひご覧くださいね。
ケースケファームを始めるきっかけ
ケースケファームを始めるきっかけを教えてもらえますか?
東日本大震災があった2011年に前の仕事を辞め、次の仕事をどうしようかと悩んでいる時期がありました。その時、たまたま秋田の方でやっている農業研修に誘われ、参加してみました。そこで、農業に興味を持ったのがきっかけです。そこから帰ってきて、2013年の4月にケースケファームを立ち上げました。
そうすると、農家を継いだり、農業学校に通っていたわけではないんですね?
そうなんです。元々長久手市には住んでいたんですが、両親も農家ではないですし、自分も学校に通った訳ではなく、興味を持って始め、人に聞きながらすべて独学でやっています。
立ち上げた当初はどうしていたんですか?
最初に借りられたのがこの場所で、今も使っているんですが、万博の駐車場だったところなので、石がゴロゴロとあって、大きい根っこもかなりあり、とても耕作に使える状態ではなかったので、家族や友人にも手伝ったもらって、石や根っこを取り除くことからはじめ、土づくりからはじめました。そこから徐々に畝を増やしたり、ハウスを作ったり、小屋を建てたりして今のような形になってきました。また、畑もこの場所以外にも増やしていき、4反から始めたのが、今は2町歩(2万平米)にまで広げることができました。
無農薬へのこだわり
野菜を作る上でのこだわりはありますか?
無農薬にこだわっています。最初に研修を受けた秋田の農家さんでは、農薬を結構使っていました。その時に自分の手や顔がすごく荒れてしまって、やっぱり農薬は体に良くないと実感したのがきっかけです。人の口に入るものなので、やはり安全安心なものを食べてもらいたいと思い、大変ですが無農薬にこだわって作っています。
他の農家さんとのつながりはありますか?
最初はベテランの農家さんに色々と教えてもらい、日進や瀬戸の方まで畑を見に行ったりしていました。今は若手の農家同士でよく情報交換をして話し合ったりしています。仲間でもあり、いいライバルでもあるので、お互いに切磋琢磨して成長していければいいなと思います。
農業をする上での工夫と大変さ
農業をしていく上で工夫している点はどんなことですか?
人に聞きながら、独学でやっているので、常にアンテナを貼って情報を得られるようにし、常に考えるようにしています。
例えば、旬が来る前にどこよりも早く出荷できるようにハウスを作って温度調節や霜対策をしたり、種まきの時期をずらして常に安定した量の作物ができるように工夫したりしています。
その年によって天候や土の状態も違うので、毎年毎年考えながらやっていかなければならず、その年失敗すると次は1年後しか挽回することはできないので、大変ですが、そういうところが面白いです。
大変なのはどんなところですか?
大変なところは色々とありますね。例えば、このあたりはイノシシなども出て、畑を荒らされるんですが、それを見張るために一晩小屋で番をしたこともあります。
他にも土づくり、草むしり、収穫など大変なところは色々ありますが、スタッフそれぞれに植え付けが好きな人、草むしりが好きな人、収穫が好きな人という具合にいるので、その人が中心となってみんなで頑張っています。僕は育てるのが好きなので、その時期は何度も畑を見回ったり、色々と工夫したりで大変ですが、とても楽しいです。
スタッフは何名いるんですか?
僕を含めて4名です。それぞれに役割を与えたり、売り先や売値を、どういうパッケージにするかということも考えてもらい、責任と楽しみを持ってやってもらえるように考えています。
ケースケファームの野菜が買える場所
ケースケファームさんの野菜はどこで買えますか?
あぐりん村(公式サイトはこちら)には毎日出荷し、たくさんの種類を売っています。その他は豆粋さん(豆粋さんの取材記事はこちら)、藤が丘のコモンさん、パンジェンヌさんなどで売っています。また、藤が丘駅で年4回行っている「藤が丘マルシェ early bird」にも出店しています。(この春はコロナの影響で中止になってしまいました)
これから農業を目指す人へ
これから農業を目指す若い人たちに何かアドバイスはありますか?
若い人には是非来てもらいたいです。長久手は若い街のイメージがありますが、農家は高齢の方が多いですし、後継者がなくて辞めていく人も増えてきています。長久手の農業を活性化させるためにも、興味のある人には見学だけでも来てもらえたらうれしいです。自分自身も農業を始めた頃にいろいろな人のアドバイスをもらってますし、自分にできる範囲のアドバイスはさせてもらいますよ。
ご興味のある人は、ながコミュの問い合わせフォームからお問い合わせください
※2021年11月現在、農業体験や見学の受付をストップしています。
以上、ケースケファーム代表の川井さんにお話を伺ってきました。川井さんは農業が大好きで、常に農業のことを考え、努力もしている素敵な人でした。実際に始めるまでは農業をするとは思ってもみなかったというのが信じられないくらい熱い気持ちを持っていて、農業のことになるとお話も止まらない感じでしたよ。興味のある人は是非一度見学してみてくださいね。
※2021年11月現在、農業体験や見学の受付をストップしています。